2011年9月29日木曜日

「旅のさきには」

【サクラ島自由作文 − 23通目】

「旅のさきには」


こんにちは。サクラ島大学サポーターのドイです。

今回の授業トラベルチームで初めて開く授業です。トラベルチームたる者、ここで旅について一家言申しあげたい。…なんて言ってみたいものですが、旅についてのイメージは自分でもつかみきれないほどふんわりとしたもので、体温でいうと平熱くらい。そんな感覚で旅について日々思いを重ねています。

そんな私がトラベルチームでかなえたいなと思っていることは、遠くから鹿児島に来てくれた人に、いつまでも記憶に残るような旅をプレゼントすること。旅のどんな場面、どんな風景に人は心を動かすのだろう。それを今回の授業で知ることができたらいいなと思っています。
それがきっと素敵な旅をプレゼントすることに繋がるような気がしています。そして、なぜだか旅に二の足を踏んでしまう私自信が、ちょっとでも足を踏み出したいという衝動にかられるようなそんな授業になったらいいなと思っています。

みなさんの旅の想い出を、映画のような長編から写真のような一瞬まで一緒に感じられたらなと思います。どうぞよろしくお願いします。



サポーター ドイ マリコ



サクラ島トラベルの授業についてはコチラから。
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サクラ島トラベル

【サクラ島自由作文 − 22通目】

サクラ島トラベル


いよいよ週末に迫った、サクラ島の授業「Travel Potluck」
今回の企画をしているのは、サクラ島トラベルという大学内の新たなチームです。
現在、サクラ島大学では、それぞれのテーマによってチームを組んで企画を進めています。

サクラ島トラベルというチームでは、「旅」をテーマにしています。

旅という語源には、「たどる日」「他日(たび)」「外日(たび)」「発日(たつび)」など数多くの説があるそうです。古くは、「遠い土地」に限らず、住居を離れることをすべて「たび」と言っていたそうです。

その意味では、住んでいる家を出て、どこかに向かう毎日さえも旅と見立てることができるのですね。

そう考えてみると、少しでも自分が良いと思える「旅路」を残しておきたい、そう思います。

旅をしていると、普段では気づかないようなことに気づくことが多いです。いつもなら見過ごしてしまうような風景が見えたりする。旅をしている自分に酔いたいなんていう欲もあると思います。そうだとしても、いつもより体の感覚が増している。自分のいろんなスイッチが入っているような感じがします。

そんな時は、グッとくる言葉が思いついたり、アイディアが浮かんだりするような気がします。なにより、自分がいいなぁと思うことに多く気づいている状態でいられる。僕の場合は、旅を終えた次の次の日くらいまで、そんな状態がつづきます。あの時間はいい。

トラベルでは、もちろん僕らなりの「旅」や「おもてなし」を考えていく活動をしていきます。ただ、個人的には、その旅する感覚(いつもよりいいなぁと思う自分の状態)を少しでも日常の暮らしに取り入れていけるには.....を色々なところから探っていきたいです。

最近、発見したのは、ある数人の人と会話をした後に、同じようなスイッチが入っていることがあるなぁと。

ただ、つよく残る旅というのは、いろんな偶然の出会いが合わさって生まれるかけがえのない出来事だと思います。それは、やっぱり、なんとなくでも自分の意思で方向を決め、動いたときに生まれるものだと。誰かによってつくれるものではない。

そう思いながらも、僕らなりにできることをことを。トラベルでは、集まったメンバーと自分たちがあったらいいなと思う「旅」や「おもてなし」を探したり、つくったりしていきたいと思っています。少しでも、日常に良き旅路を残せるように。

まずは、はじめての授業、いろいろな人の旅路にふれて何を思うのか。誰かの話で、どこかに行きたくなるのか楽しみにしています。



サクラ島大学 久保 雄太


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2011年9月20日火曜日

Travel Potluck 01 〜旅の話を持ち寄る時間〜

旅の話を持ち寄って、お互いの「旅って?」という視点を分かち合える時間をつくろうと思います。

これからサクラ島トラベルの活動をとおして、自分たちがあったらいいなと思う「旅」や「おもてなし」を探したり、つくったりしていきます。と、その前に、メンバーと会話を重ねるなかで、色々な人のたどってきた旅路にふれてみたいなと思いました。

誰かの旅路をたどっていく旅というのも、偶然の出会いの連続で進んでいく旅にはない魅力があります。また、どこか遠くの国にまで足を運ぶまでもなく、日常の暮らしのなかに旅を感じたい。そのために、普段とは違う視点を手に入れてみたい。

今回は、僕たちが旅のお話を聞いてみたいなと思ったお二人をゲストに迎えて場をつくっていきます。お二人のゲストの方には、心に残っているエピソードを中心に、旅にまつわるお話をしていただきます。同じく、参加者のみなさまにも、旅のエピソードをひとつずつ持ち寄っていただき、グループで紹介し合う時間を設けます。お二人の話、参加者のみなさんの旅路に触れるなかで、参加者一人ひとりが、それぞれの旅や日常を考える機会にできればと考えています。

その日、いくつかの旅路を想像していくなかで、どこかに新たに旅にでかけたいという衝動に駆られるスイッチがあるかもしれません。

どうぞ、旅の記憶を思い返し、ひとつのエピソードを携えて来てみてください。


P.S.
この企画を考えたメンバーたちは、実は旅コンプレックスのようなものを抱えています。どうも、旅という言葉への照れだったり、重さを感じたり、単純に苦手だったりするのです。苦手なりに、この機会を口実に、その対象に向き合い取り組んでいきます。誰かにとっても、良き機会になるといいなと思いながら。


*Travel Potluck
Potluck(ポットラック)とは、簡単に言い換えると、一品持ち寄りパーティのことを言うそうです。パーティの参加者全員が何かしら一品食べ物を持ち寄って、みんなで分け合いながら楽しむパーティのことを、そう呼ぶのです。今回は、食べ物ではなく、旅の話を持ち寄る会を、トラベルポットラックと呼んでみることにしました。





「Travel Potluck 01 ~旅の話を持ち寄る時間~」


【開催日時】2011年10月1日(土)10時00分~13時30分(3時間30分)
【教室】かごしま環境未来館(2F 研修室)
【先生】松山 芽衣子(更紗屋雑貨店)、ヤマシタ ケンタ(山下商店・東シナ海の小さな島ブランド社)
【定員】15人
【授業料】無料
【授業の流れ】
 9時45分~ 受付開始
 10時00分~ 授業開始、はじめに
 10時30分~ 松山さんの旅話
 11時10分~ グループでワーク
 11時50分~ 休憩
 12時00分~ ヤマシタさんの旅話
 12時40分~ グループでワーク
 13時20分~ おわりに
 13時30分  終了

*授業終了後にゲストのお二人も交えて環境未来館の緑の上でお昼ごはんをかこみませんか。お弁当をもちよって、話のつづきでもしながらランチタイムを考えています。ご参加希望の方は、お弁当を持参のうえ「Travel Potluck」にご参加ください。

【用意するもの】
・旅のエピソード(グループワークのなかで、ひとりのお話の目安を、質問等を含めて10分程で想定しています。)
・授業のメモ等に使われる文房具等は各自持参してください。
・授業終了後、ランチタイムにご参加希望の方は、お弁当を各自ご持参ください。

※1:本授業は、授業料無料です。
※2:定員を超えた場合は、抽選とさせていただきます。


授業予約申込みフォームへ


(授業コーディネーター:サクラ島トラベルチーム)





松山 芽衣子(更紗屋雑貨店)

“時間と場所をこえてきた 「ものがたりのあるもの」”を活動のコンセプトに、ビンテージボタンを中心にヨーロッパから直接仕入れた雑貨等を販売する「更紗屋雑貨店」を運営。またウェブサイト・印刷物等のデザイン、ディレクションを行う。現在は実店舗を構えず、月に1度の割合で鹿児島市内を中心にイベントでの販売を行っています。参加イベントについてはブログ等で案内中。

詳しくはコチラから(webblogtwitterfacebook



ヤマシタ ケンタ(山下商店・東シナ海の小さな島ブランド社)

1985年鹿児島県上甑島生まれ。JRA日本中央競馬会競馬学校を中退したのち、鹿児島高等学校へ進学。京都造形芸術大学環境デザイン学科地域デザインコース専攻。卒業制作展「島に、生きる。」で学科賞と学長賞をW受賞。京都市内の民間企業を経て甑島のおいしい風景をつくるためにUターン。東シナ海の小さな島ブランド社 山下商店 の代表兼百姓を務める傍らKOSHIKI ART PROJECTの運営に携わる。

詳しくはコチラから(blogtwitterfacebook

2011年9月6日火曜日

Report No.2 (2011.8.28)

「フランスの伯父さんが教えてくれること~楽しさはわき道にあり~」
(先生:小柳帝さん)



2011年8月28日、太陽の光が降りそそぐかわなべ森の学校。GOOD NEIGHBORS JAMBOREEがバッハの無伴奏チェロ組曲第一番とともに今年も幕を開けました。サクラ島大学夏の課外授業1限目「フランスの伯父さんが教えてくれること~楽しさはわき道にあり~」(先生:小柳帝 さん)も開場間もなく始まりました。先生役をつとめてくださった小柳帝さんはライター・編集者・翻訳者・フランス語講師と幅広く活躍されている方です。今回の授業では小柳さんの好きな「伯父さん」たちの話を通して、授業を受けてくださった方がそれぞれの学びを持ち帰る。そんな授業になりました。

お話は二つの映画「ぼくの伯父さんの休暇」と「ぼくの伯父さん」から始まります。二本ともジャック・タチが監督・主演をつとめる映画です。ジャック・タチ演じるユロという主人公が映画での「伯父さん」にあたるわけですが、このユロの映像を見ながら授業は進んでいきます。ちなみに、「ぼくの伯父さんの休暇」のほうは中公文庫から小柳帝さんの訳で出版されています。

ここでいう「伯父さん」の存在。例えば家族親戚や世間体とは一つ違う場所で飄々と生きている人、例えば屋根裏のようなところで。でも決して陰鬱な感じはしないし、ユーモアたっぷりに日常のちょっとしたことを少しからかったりしながら楽しく暮らしている。甥っ子をはじめ子供達はそんな伯父さんのことを大好きなのです。そんな話を皮切りに次々とフランスの愛すべき伯父さんたちが登場する授業となりました。

話は少しそれますが、この授業で一つの言葉を覚えました。それは「ノンシャラン」。言葉が発せられたときは「?」と思ったのですが、あとになって調べてみると「無頓着でのんきなさま」とか「自由気まま」という意味だそうで、フランス語なのですね。ここからは、立派な何者かであるのにどこかノンシャランな空気をまとったかっこいい伯父さんたちが続々出てきますよ。

始めに、ピエール・エテックス。「ぼくの伯父さんの休暇」のポスターを描いた人で、もとは道化師でもあり、のちに監督俳優もしている多彩な人です。ちなみにエテックスの奥さんはシルクドゥソレイユの母体となったグループの一員であったそうです。

続いてポスター作家のサヴィニャック。あの作風のなんともいえな温かみとやさしさとユーモアは百聞は一見に如かずだよなぁと思っていたら、ちょうどほぼ日新聞で紹介されていたのでそちらもどうぞ。http://www.1101.com/savignac/index.html

そして最も印象的だったのが、チェリストであり登山家であり俳優でもあったモーリス・バケ。チェロを肩にかついで、両手にストックを持って山を登る後ろ姿のあの写真、山頂で奏でるチェロの静かな音色には一瞬にして心を奪われてしまいました。それでいて、映像で演じているときにはわざと転んでみせたり、あぶなっかしい振りをして笑わせてみたり。写真を撮ったロベール・ドワノーの「パリ市庁舎前のキス」も心とろける素敵さがあります。

ここまで映像や写真を通して見てきたフランスの伯父さんたち。このかっこいい伯父さんたちに共通する空気感ってなんだろうと思って、考えをめぐらせてみると、自分のしていることを心から愛して慈しんでいる感じがあります。でも、それを人に渡すときには決して押し付けがましいことはなく、そっと差し出すようなやさしさやあそびの部分があって、ほんのちょっとユーモアが添えられていて、受け手としてはとても和んだ気持ちになります。気付けば自分もそんな伯父さんのことを好きになっているような魅力がそこにはありました。

そして何より私が感じたのは、このフランスの伯父さんたちの話をしているときの先生の楽しそうな表情と声のトーン。自分の心が惹かれるモノに素直でいていいんだと感じさせてもらうとともに、これからもずっとそれを探し続けていこうと思わせてくれる素敵な授業でした。小柳帝先生、第2の故郷鹿児島での授業を本当にありがとうございました。そして集まってくださった生徒のみなさん、何か感じてもらえたなら幸いです。これからも引き続き、よろしくお願いします。授業は2限目へと続きます。



ドイ マリコ

2011年9月5日月曜日

GOOD NEIGHBORS JAMBOREE 2011











夏の終わりのグッドネイバーズジャンボリー、今年も無事に終えることができました。
暑いなかご来場して頂いたみなさま、ありがとうございました。

最高の天気のもと、開放感のある森の学校で、たくさんの出来事が生まれていました。この日に向けて、準備を重ねてきたものたちが、たくさんの人に触れられていく様子を見ているだけでとても幸せな気持ちになります。

サクラ島大学では、2つの夏の課外授業を開催しました。
今回の授業コーディネーターは、ジャンボリーの主宰でもある坂口さん。坂口さんには、昨年は、プレ授業にてはじめての先生をしていただきましたが、今年は授業をつくっていただくことに。素敵な課外授業を企画してもらいました。

1限目は、高校時代を鹿児島で過ごされた小柳帝さんによる授業。
「フランスの伯父さんが教えてくれること~楽しさはわき道にあり~」







小柳さんは、楽しそうに自身の愛する「伯父さん」達のお話を紹介してくれました。小柳さんのお話から、これからの活動を進めていくうえで、とても大切なことを教わったように思います。授業予告に書かれていたように、この架空の大学でつくられていくことは、普段の生活を少し豊かにしてくれる、伯父さんが教えてくれるようなことなのかもしれません。実際に、これまでに授業をしていただいた先生方や、かかわる方々は、憧れたり、かっこいいなぁと影響をうけてしまう大人ばかり。自分の好きなことに真っすぐで、ユーモアがありチャーミングです。なにより、自由な空気をもっています。そんな伯父さん達の背中を見る度に、何かを感じ、何か動かされていく。それまでの自分ではない、新たな出会いを重ねていきたいのです。

授業の予約申込みのメッセージや授業後のアンケートを読んでいると、小柳さんも、みなさんにとっての良き伯父さんなのだということが、とても伝わってきました。こんな、伯父さん達と出会う度に、年をとって大人になっていくことが楽しく思えるのです。


2限目は、頴娃町出身の親指ピアニスト、サカキマンゴーさんによる授業。
「ポリリズムって何?~アフリカ音楽の秘密にせまる~」









独特の雰囲気と華麗な頴娃語(方言)で、はじめから会場はサカキさんのお話に夢中になっていました。何度も訪れているアフリカの日常にあふれている音楽のシーンを切りとりながら、音楽の楽しさを伝えてくれます。圧倒的な経験の量と、独自の視点から繰り広げられるお話は、これまでに体験のしたことのない授業となりました。映像のなかに出てきた、廃材や日用品をつかって楽器をつくり、自由に音楽を楽しんでいるアフリカの方々のライブを見ていると、オモシロイ事はそこら中に転がっていて、自分がどうソレと向きあって楽しむかなんだと教えてもらえた気がします。なにより、本当に自分たちが楽しんでいる様子とその音楽がとても爽快でした。

自分が楽しむための楽器、親指ピアノ。数人のアフリカの方々による親指ピアノの演奏の映像を見ることができましたが、かっこよかった。本当に。今回はライブを見ることはできなかったので、またの機会にサカキマンゴーさんの親指ピアノの演奏を体感したいと願います。

この後アップされる、それぞれの授業のレポートも、楽しみにしていてください。



今年も、あっという間にジャンボリーの特別な一日が過ぎ去っていきました。そして、昨年以上に、来年はもっと楽しみたいという思いが増しているし、もっともっとその日にむけて良き準備ができるようにしたいです。何を放っても、受け入れてくれるだろう森の学校で、またお会いしましょう。

今年も素晴らしい夏をありがとうございました。