2011年12月24日土曜日

第二話 枕崎の空 ~枕崎空港へ~



シェルターでのひとときを終え、現地で合流したメンバーとも一緒にバスに乗りこみます。枕崎に住んで1年の人や隣の町に住む人、枕崎で生まれ育った「彼女」の友だちも加わって、旅の仲間がそろいました。



さきほどの夜のような地下の世界から一転、朝のやわらかい日差しを受けてバスは進みます。シェルターのある少し小高いところからだんだん下って道はいよいよ海沿いへ。国道を東のほうへ向かうと、突然視界が開けます。



遠くまでさえぎるもののない一面の海、水平線を西へたどると枕崎のシンボル立神岩。「黒潮と太陽の街」を感じる瞬間。この日、太陽は薄い雲におおわれ、淡い空色を映した海はおだやかな表情です。ため息の出そうな景色。ここが「彼女」を包んできてくれた枕崎なのですね。



そんな景色を横目に次に到着したのは枕崎空港。ターミナルは白亜の壁が空によく映えて、2階建てのこじんまりとしたたたずまいが心地よさを感じさせてくれます。玄関の前に置かれていた鰹の時計がみんなの笑いを誘います。



空港では枕崎市役所職員の宮下さんが迎えてくださり、枕崎空港について説明をしてくださいました。枕崎空港は、電照菊を輸送する目的で建設が望まれた経緯があり、かつて屋久島や種子島等の各離島への便や枕崎近辺での遊覧飛行でにぎわい、現在は私用の航空機と防災ヘリ(や運行予定のドクターヘリ)の拠点として利用されているそうです。






その日、偶然にも熊本から小型飛行機で枕崎空港に着陸した方々がいらっしゃいました。スーパーウィングスというチーム名で活動されているというその方々に、なんとご好意で機体を見せてもらえることに!





小型飛行機が3機。機体の名前はエアロスバルと言うそうですが、なかなか間近で見る機会もないだけに、駆け足気味に機体に近寄ります。機体の中は何十もの計器類がずらっと並び、二つ並んだ操縦桿、赤いシートに「おお~っ」と思わず声が出てしまいます。遠くから見た時のバランスのとれた美しさとはまた違う、機体の重厚感や迫力が感じられ、この機体が空を飛ぶ姿を想像せずにはいられません。スーパーウィングスの方が操縦桿も動かしてくださり、実際に翼が動く様子も目にしました。さらには、操縦席に座らせてもらう幸運な人も!子供ごころに戻ったような顔があちこちに散らばっていました。




機体と反対側に目をやれば、海まで一直線に伸びる800mの滑走路。いつもより空が広く見える気がして、頬をなでる風に乗って飛びたてそうな気分。ここで飛行機に出会ったことがみんなのオモイデに刻まれたと思うとなんだか嬉しいです。ここには書ききれないほどのたくさんのお話をしてくださった宮下さんとスーパーウィングスの皆様、本当にありがとうございました。






次回「中原公園 ~鳥の目線になれるところ~」へつづく




オモイデトラベル 〜枕崎 行き〜
プロローグ
第一話 BON DX Live ~BONさんの大きな笑顔~
第二話 枕崎の空 ~枕崎空港へ~
第三話 中原公園 ~鳥の目線になれるところ~
第四話 城山センターでお昼ご飯

2011年12月17日土曜日

第一話 BON DX Live ~BONさんの大きな笑顔~



そろそろまちに近づいていることを思わせる長い下り坂が続くころ、右手に大きな看板が見えてきます。今にも飛び出しそうな鰹と「ようこそ枕崎へ」と描かれた看板にちょっと笑みを浮かべながら枕崎に到着したことを知ります。

ここで第一の旅の目的地を知らされます。枕崎から各地へ20年にわたって音楽を奏で続けているスカバンド「ARTS」のリーダー、BONさんが待つ「SHELTER」へ向かっているとのこと。

SHELTERは枕崎市緑町のビルの地下一階にあります。まるで秘密基地のようで、夜ごと音楽が沸きかえるさまが思い浮かぶような優しい光に包まれたバー。



ステージ上と変わらぬ笑顔で迎えてくれたBONさん。みなそれぞれにドリンクを片手に談笑していたら、おもむろに楽器の準備がはじまり…。あれ、もしかして…!

実は、サクラ島大学で枕崎を訪れるときにはぜひお会いしたいとお伝えしたところ、BONさんの粋なはからいにより、サプライズでライブまでしてくださる運びとなっていたのでした。BON DX(ボンデラックス)のメンバーのみなさんも、同日の昼から鹿児島市内でライブがあるにも関わらず、朝早くから駆けつけてくださいました。今から起こることがなかば信じられない気持ちのまま、ライブがスタートします。





数歩さき、目の前で始まるライブ。アコースティック・スカのリズムが耳に届くより先にからだ全体に響き、体も自然とリズムを刻みます。徐々に体も熱くなり、いつの間にか半そでのBONさん。

思えば、サクラ島大学の初めての授業の先生役をつとめてくださったのがBONさんで、オモイデトラベルの最初もBONさん。重なるオモイデにただならぬ縁を感じながら、音楽は続きます。

下のほうから突き抜けるドラムスとベース。クールに踊るキーボードの音。艶っぽいアルトサックスに、歌うギター。絡み合ったり、ひきたてあったりする音にしばし酔いしれ、最後はアンコールの「上を向いて歩こう」をみんなで歌いながら、ライブは幕を閉じていきました。何度も何度も「枕崎を楽しんでいってね」ともてなしてくださったBON DXのみなさん。本当にありがとうございました。







自分の生まれ育ったまちに、音楽をするための場所をつくり、仲間をあつめ、ひたむきに奏で続けてきたその年月に思いをはせたとき、あのBONさんの温かい笑顔の理由が分かるような気がしました。全国のどこで歌っていても、自分で信じ築き上げてきた帰る場所があるから強くいられるのかもしれないなと思いながら、メンバーのみなさんと握手を交わし、SHELTERを後にします。あっというまの1時間。ぜいたくな時を過ごし、少し上気したまま次の目的地へと向かいます。




次回「枕崎の空 ~枕崎空港へ~」へつづく




オモイデトラベル 〜枕崎 行き〜
プロローグ
第一話 BON DX Live ~BONさんの大きな笑顔~
第二話 枕崎の空 ~枕崎空港へ~
第三話 中原公園 ~鳥の目線になれるところ~
第四話 城山センターでお昼ご飯

2011年12月11日日曜日

プロローグ



空にはうろこ雲。冬と言うにはまだ早いようなおだやかな冷気が身を引き締める朝。

人もまばらな駅のロータリーに、ひとり女の子が待ってくれていました。まるで枕崎からお迎えに来てくれたように。今日は一日「彼女」と思い出を手がかりに旅に出よう。オモイデトラベルのはじまりです。

ひとり、ひとりと旅の仲間が増え、今日はよろしくお願いしますなんて会話を交わしながら、バスに乗り込みます。すこし緊張した雰囲気のまま、バスは発進。いざ、枕崎へ。



出発のあわただしさから、ほっと一息ついたころ、サクラ島大学トラベルチームからあいさつが始まります。この旅のきっかけをつくってくれた「彼女」からは、オモイデの詰まった大好きな枕崎のことをみんなにも知ってほしいという気持ちが真っ直ぐに伝わってきました。そして、彼女と一緒に旅をするうちにすっかり枕崎を好きになっていたメンバーからもひとこと。「今日は『彼女』のオモイデから引き出された旅路を一緒に歩いていきましょう。みなさんと一緒に楽しみ、それぞれに何かを感じられるような旅にしていけたらと思っています。」




続いて、旅に参加してくれた方からの自己紹介です。それによると、みなさん枕崎をゆっくり巡ったことはほとんど無いようで、なかには初めて行くという方も。今日を機会に枕崎を知れたらという期待に包まれているようで、声も自然と明るくなります。そして今日お世話になるバスの運転手さんは枕崎のご出身。頼もしい方を得て、幸先のいい旅路のスタートです。




そうしている間にバスは鹿児島市街地を離れ、山の中を登ったり下ったりしながら南のほうへ進んでいきます。ここから枕崎まで小一時間、思い思いに過ごします。



次回「BON DX Live! ~BONさんの大きな笑顔~」へつづく




オモイデトラベル 〜枕崎 行き〜
プロローグ
第一話 BON DX Live ~BONさんの大きな笑顔~
第二話 枕崎の空 ~枕崎空港へ~
第三話 中原公園 ~鳥の目線になれるところ~
第四話 城山センターでお昼ご飯

2011年12月4日日曜日

はじめてのプロトコールで、クリスマスパーティー



秋の芋煮会(福島編・山形編)にひきつづき、12月も学びありの交流会を開催します。今回の交流会は、少し特別。鹿児島の国際交流の推進をミッションとした「鹿児島国際化推進協議会」(以下:KIC)との協働のクリスマスパーティーとなります。

素晴らしいビジョンをもたれた素敵なおじさま達が集まってらっしゃるKICは、鹿児島の国際化を考えている民間の企業や個人の出資により構成されています。そしてこのたび、海外から来られる方にとって、より顔のみえる活きた情報を提供しようと、KICのwebサイトがリニューアルされました。サクラ島大学もこの取り組みにかかわる機会をいただいています。

そして、第一弾目の取り組みが、今回のクリスマスパーティー。「よく映画のワンシーンや、ニュースの一コマで目にするようなプロトコールにのっとった国際交流パーティーを鹿児島でやってみようよ!!」というおじさま方との冗談まじりの会話から生まれたこの企画。プロトコール(国際儀礼)って知ってますか?僕は、その時までその言葉すら知りませんでした。(海外での公式行事などで全世界共通で行われるルールのようなもの。)そもそも、大人の社交場にもほとんど行ったことがない。接待のマナーも、ままならない僕ですが、いきなり国際儀礼にのっとったフォーマルパーティーで社交場デビューというのは自信もつくし、なによりオモシロそう。今回は、素敵なおじさま達より、やさしくプロトコールのことや社交場のことを教えていただくまたとないチャンスなのです。

ここで、今回のパーティーのドレスコードを紹介します。

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[男性]タキシード or 黒のスーツ(白シャツと黒の蝶ネクタイ)
[女性]イブニングドレス(結婚式時のオシャレ着)or 着物
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※男性の着物は、フォーマルではないらしいですよ。

きちっとしたフォーマル姿の男性がそろっていて、華やかなドレスや着物姿の女性の方々が集まるパーティー。想像しただけで、見慣れない光景にドキドキします。素敵な大人の方々との交流の場としても、貴重な機会でもあります。なかなか敷居の高い「おとなの社交場」を経験できる学びの場でもあります。そして、こんな機会でもないと着ないであろうオシャレをして、なにより楽しい時間を過ごしましょう。




おとなの交流会
「はじめてのプロトコールで、クリスマスパーティー」


【開催日時】2011年12月22日(木)19時30分~22時
【教室】ジャポナイズ鹿児島(マルヤガーデンズ・8F)
【参加費】¥5,000(飲食費)
【定員】15名(先着順)※全体で30〜40名規模の交流会です。
【注意事項】
・事前の予約制としていますので、お申し込みフォームより申込みお願いします。
・予約後に、キャンセルの希望の場合は、メールにてお問い合わせください。(sakurajima.univnet@gmail.com )
・当日のドレスコードです。
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[男性]タキシード or 黒のスーツ(白シャツと黒の蝶ネクタイ)
[女性]イブニングドレス(結婚式時のオシャレ着)or 着物
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※男性のタキシードは、レンタルも可能ですよ。
http://www.dmm.com/fashion/mens/ 



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