2011年10月24日月曜日

サクラ島の芋煮会 〜福島編〜 を終えて。





前の日まで降っていた雨もあがり、変わった風向きのおかげで灰も降らない気持ち良き秋空の下、無事に芋煮会をひらくことができました。急な呼びかけにもかかわらず、駆けつけてくれたみなさま、ありがとうございました。

「芋煮会をやってみたい」という僕の私欲と、「芋煮会が好きだ」という芋煮リーダー(元・福島県民)のテツさんのひと言で、開催がきまった芋煮会。終えてみて気づけたことは、自分たちがやってみたいことをベースにおくことの大切さ。対象となる「芋煮」を定めることで、向き合うことで自然と生まれた出来事がありました。
芋煮リーダーのテツさんは、福島の良さを感じてもらうために福島物産館にておみやげを買ってくれていました。「仙台味噌」や「ゆずみそ」「銘菓のゆべし」「東北の日本酒」。サポーターのサトコちゃんは、お家の畑で育てた里芋を掘ってもってきてくれた。東北産じゃないけどって、日本酒をプレゼントしていただいたり。「芋煮会っておもしろそう」って理由だけで、こんにゃく屋さん(株式会社 しかや さん)がこんにゃくを提供してくれたり。いろんなとこで出来事が。
ひとつひとつの出来事が、その日の芋煮会の魅力や楽しさに繋がっていたし、誰かが参加する理由にもなったのかもしれない。そうやって、今後も、ただイベントや授業をこなしてゆくのではなくて、いろんな出来事が積み重なって生まれるように、対象に向き合ってゆきたいです。

もうひとつ、嬉しいことが。芋煮会への予約フォームでの「サクラ島へのメッセージ」って欄があります。そこに、丁寧に書いて申し込んでくれた方がいて。なんの繋がりもなく、ひとりでの申込み。メッセージから、これからに期待をして、ひとりだけど勇気をもって申し込んでくれているのが伝わりました。とても嬉しいし、僕も良い場にしないと!と、緊張をします。色々な人が参加してくれる動機を聞いてみたいし、できるだけ知っていたい。ひとりでも思わず参加したくなるような場所づくりは、これからも大事にします。

新たにおいしい山形の芋煮が食べれるお店があると、情報をいただきました。メンバーと取材にいってみます。そして、来月の開催は、山形編にしたいと思っています。(11月19日を予定)
どうぞ、もう少し寒くなった頃に芋煮をかこみに、また集まりましょう。


[写真]サクラ島の芋煮会〜福島編〜












2011年10月20日木曜日

芋煮会への招待状

【サクラ島自由作文 − 24通目】

芋煮会への招待状」


空は澄み朝晩の風も涼しくなり、すっかり秋めいてきた今日この頃。僕は毎年この時期になると、ちょっとそわそわします。その原因は「芋煮会」。3年前まで住んでいた福島の地に戻り、友に会い、芋煮会に参加したくなるのです。

芋煮会というのは、東北地方を中心に行われる行事です。里芋と肉、季節の野菜等を煮込んだ鍋を薪で火をおこし河原で食べるというもので、「春の花見、秋の芋煮」と双璧をなす程、東北人にとっては無くては成らない年中行事の1つです。友達同士、職場で、町内会で、親戚一同で、合コンを兼ねてなどなど、様々な「輪」で芋煮会は行われます。
ですので、芋煮会シーズンの河原はそれらの「輪」で埋め尽くされ、人によっては芋煮会のはしごも珍しくありません。

10月になれば県内のスーパーやコンビニには「無料で鍋貸します」の紙が張り出され、「いや牛肉で醤油味だ」「豚肉で味噌のほうがうまいべ」と他地域出身者同士の“どっちの芋煮がうまいかバトル”も勃発するなど、街中が完全に芋煮会モードに突入します。
それにしても、何故これほどまでに東北の地で芋煮会は愛されているのでしょう?個人的な見解ですが、その理由は「東北の冬」にあるのではないかと思っています。東北の気候は、夏が短く、秋はもっと短く、そして冬は長く厳しいものです。その長く厳しい冬が来る前の最後の野外イベントとして、暖かい気候を惜しむよう、ここぞとばかりに仲間とひとつの鍋を囲む、そして共に冬を乗り越えるぞという「絆」を深める、これこそが芋煮会の真髄であり、愛され続けている理由なのではないかと思っています。

そんな「絆」を深めるイベントでもある芋煮会を、鹿児島でも行おうと思っています。これまでサクラ島大学に関ってくださった皆様、そしてまだ関ってはいないけれど気になっているという皆様と、「絆」を深め「輪」を作ることできたら、とても幸せです。

最後に。福島は今もなおたいへんな状況です。この芋煮会を機に、参加された皆様が、福島をはじめ東北の文化を身近に感じて頂けて、いつの日か東北へ遊びに行く小さなきっかけのそのかけらにでもして頂けるのなら、こんなに嬉しいことはありません。

芋といえばサツマイモの国で、どうぞ東北の芋を存分に味わってください。
ちなみに僕は、どちらの芋も大好きです。


サクラ島大学サポーター テツ



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2011年10月17日月曜日

サクラ島の芋煮会 〜福島編〜



「サクラ島の芋煮会〜福島編〜」をひらきます。

まえまえから、気になっていた「芋煮会」。もう、響きだけでソレやりたいって思っていました。
そして、まえまえから始めようと考えなから実行に移せていなかった、サクラ島の交流会の計画。
サクラ島の交流会とは、授業を通して出会った方々と、大学のサポーターや職員の方々が、授業以外に集える場所をつくりたいという目的をもっています。サクラ島大学のかかわる入り口は、大学の運営や、先生だったり、各テーマの授業、キャンパスを提供してくださる方など様々です。これからも、より多く人がかかわれるような多様な入り口をつくってゆきたいと思います。つながりが広がるなかで、気軽に集まれ、また予期せぬ出会いや再会が生まれる様な場を目指します。サクラ島の交流会に行ったら、元気が出るなぁと、思えるような、良き気に満ちた場を一緒につくってゆきましょう。
その一回目を、早速やってみます。それが、「サクラ島の芋煮会~福島編~」!!芋煮会とは、そもそもなんなのか?

サポーターの元・福島県民のテツさんからの説明を一部抜粋。
「東北の方で、このシーズンに行われている、BBQのように、里芋と肉を煮込んだ鍋を川原などでみんなで食べるという行事は芋煮会。東北は、夏が短く、秋はもっと短いです。そして、その先には長い長い冬が待っています。その長い冬が来る前の最後の野外イベントとして、暖かい気候を惜しむように、ここぞとばかりに野外で芋煮を食べる、そして長い冬を共に越える仲間の絆を深める、これこそが芋煮会の真髄です。この時期は街を挙げて芋煮一色で盛り上がります。元福島県民としては、芋煮の時期には福島に帰りたくなります。」

もう、この時期の交流会にもってこいの内容です。さらに、各地域によって、味付けや具材も変わってくるようです。まずは、芋煮会の練習も兼ねて、今週末は「福島編」をやってみたいと思います。どなたでも参加可能です。これを良き機会に、サクラ島大学に遊びにきてみてください。





「サクラ島の芋煮会〜福島編〜」

【開催日時】2011年10月23日(日)16時00分~18時頃(締めのうどんも終わって良き頃合いに)
【教室】マルヤガーデンズ・ソラニワ(7F)
【参加費】¥2,000(飲食費)
【注意事項】
・できるだけ、マイ箸・マイお椀を持ち寄っていただけると嬉しいです。
・事前の予約制としていますので、お申し込みフォームより申込みお願いします。
・雨天時は、7Fの屋内にて開催いたします。
・予約後に、キャンセルの希望の場合は、メールにてお問い合わせください。
(sakurajima.univnet@gmail.com )



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2011年10月12日水曜日

K10D

K10D(PENTAX)

先日、カメラをゆずっていただいた。写真は....Re:s藤本さんアルバス酒井さんとの出会いもあって、写真そのものにも惹かれていたけれど。駆け回って、残したり刻んだりすることに、とても真剣に取り組んでいる人たちに、ここ1年くらい、とても刺激をうけていたことが大きい。サクラ島の活動の様子が残っているアルバムには、本当にいい写真が多いのは、後からその時間を思い返すことができるのは、そんな方々のおかげだ。ただ、淡々と授業や活動をこなしてゆくのではなく、言葉や写真を残すということは、何年か過ぎた後に、きっと価値やチカラを持ちはじめるのだと、見返す度に教えてもらった気がする。あと、ファインダー越しにコレは残したいって、思わず撮りたくなるような時間にしたいって欲が生まれている。想定外のものを。

僕が、初めて写真に興味を持ち始めたのは、福岡の田北さん「trivial records」がきっかけ。ずいぶんと昔の記録に戻ると、田北さんが小国(杖立温泉)で活動をされていた頃の風景を見ることができます。その頃、その町で生まれるものを写真と言葉で丁寧に綴られていました。その風景に惹かれて、活動のつづきを知りたくて夢中になっていた。自然と小国は好きな町になったし、良き縁も生まれた。そして幸運にも、その頃に田北さんが、使っていたカメラ(K10D)をゆずっていただいた。
K10Dは、僕が福岡でお世話になっていたデザイン会社で、代表が選んだ機種でもあった。僕も少し使わせていただき、いろんな取材の思い出も残っているものだ。なにより、代表が選んでいるってことだけで、僕にとってはもう特別だ。そんな思い入れのあるカメラを使えるのは、とても楽しみ。これまでは、「写ルンです」が主流だった僕。これからは、K10DとフィルムはNikon(コレも譲ってもらった大事なカメラ)と付き合ってゆきます。

目的は写真を綺麗に残すための技術の向上ではなくて、残すことや刻むことに向きあうこと。
あとは、僕にしか撮れない過程を伝えること。そして、誰かが思わず撮りたいわーと思うような活動を生むことがなによりです。

2011年10月11日火曜日

Travel Potluck 01







トラベルというテーマを設けてから、毎日の生活にあらたな目線が加わったような気がします。誰かとの会話で、尋ねてみたいことがあったり、どこかに訪れた時に考えたり見てしまうことがあったりします。今後、この目線が自分たちのつくる旅に対しての「ものさし」になっていくとしたら、もう少しはっきりとさせておく必要がある。そう思いながら、まずは色々な旅の話を聞いてみようと決めて、一回目となるトラベルポッドラックを開催しました。
僕たちが、話を聞いてみたいなぁと思ったゲストのお二人の話の合間に、参加者の方々も自身の旅のエピソードを持ち寄る会。ワークのはじまりは、持って来たエピソードを文字に起こしてもらう作業から(作文)。思い出し、書くことから「旅って?」というスイッチを入れていったとても静かなはじまりでした。




ひとり目のゲスト「更紗屋雑貨店」を営んでいる松山さんは、「もの」を通した出会いのお話を聞かせてくれました。小学生の頃に、海外のおみやげにもらった、キャンディとの出会い。見慣れないお菓子のパッケージや色とりどりのかわいさから、どんな国の街に、どんなかわいいお店に、どんなふうに並んでいるのだろうと想像をしていったそうです。「ものがたりのあるもの」という松山さん活動コンセプトのはじまりに触れることができました。旅のお話でも、いろんな街での写真を見せていただきましたが、それらの街の景色やストーリーを込めた「もの」を持ち帰る。こんないいところあったよ、とストーリー付きの旅する雑貨販売。誰かが持ち帰った「もの」をきっかけに、その国に旅してみたいと思うかもしれない。松山さん自身がいいと思う「もの」との出会いには、旅することが条件のような感じがする。
もうひとつ、松山さんが夢中になっているポストクロッシングというものを教えてくれました。オンラインを通したサービスで、世界中の方々と絵はがきの交換をできるもの。送る相手も送られてくる相手も、自分では選べないので、思いもしない国から絵はがきが届く楽しみがあるそうです。朝に、ポストをあけるのが楽しみだそう。松山さんは、自分の部屋にいながらに、絵はがきの交換を通して、世界中の街の風景を思い描きながら、きっとまた次の旅のことを思っているのです。




ふたり目のゲストは、ヤマシタケンタさん。甑島出身のケンタさんとお会いしたのは一度だけ。その時は、彼の昔話と甑島のアートプロジェクトのお話でした。その昔話の方が、とてもオモシロくて残っており、ゆっくり話をしたいなぁ思っていました。ケンタさんは、甑島の紹介とこれまでの自分の活動や昔話を織り交ぜながら、楽しそうに話を進めてゆきます。「しまなび」という旅人を受け入れる側の話から、日常に自然と旅がかかわっているのだと気づかされます。ケンタさんのお話は、お父さんとの出来事、おじいちゃんの昔話、近所のおばぁの話と、家族や普段の暮らしに近い距離の話ばかり。なのに、ドキュメンタリームービーを見てるような物語に感じます。丁寧にお米をつくっているお話から、おいしそうな風景を想像してしまい、お腹がすいてくるような。
今は、ある出来事がきっかけで、島に「音楽を」と望み、ゴッタンという民族楽器(南九州)を追いかけているそうです。島で、歴史をしらべ、見つからなかったら、外にとび出し、そして自分たちでゴッタンの音楽をつくっている。「この瞬間の出来事でも、何十年後かには島の歴史や伝統の音楽となっているかもしれない。」そう思っているのだそうです。ケンタさんの「旅って?」は、「島の記憶をたどること」。島の歴史をたどりながら、つなぎながら、これからの歴史も刻もうとしている姿に、とても心動きました。ケンタさんの好きだった、今はもう無くなってしまった「アコウの木」がつくる風景の跡地を、訪ねに行くのが楽しみです。

おふたりのゲストの合間の、参加者のみなさんとの旅の話のやりとりも、良き時間となりました。自分にはない、視点や体験の話を聞くことができるのは、とても贅沢な時間だなぁと思います。ひとりの参加者の方が、僕たちがプレ授業でひらいた「かのやデザインパワースポットめぐり」を、もう一度巡ってきたエピソードを話してくれました。あの時に見たものや、素晴らしかった鹿屋の海からの夕陽を、大事な方に見せたくなって、たどっていったそうです。ある参加者は、授業後に早速ポストクロッシングを試してみてるよう。誰かの、何かのきっかけとなることが、一番の喜びだなと思います。今回の、トラベルポッドラックはトラベルチームにとっても、これからの活動のひとつのものさしをつくる、良き時間となりました。ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。そして、ゲストの松山さんとケンタさん、素敵な旅路をありがとうございました。


photo by undoandy