2011年3月11日金曜日

みっつめの花(その2)




旅のきろく・その1のつづきをかきます。

Araheamにて、お店という場から、デザインをそれぞれ感じた後に向かったのは、

「吾平山上陵(あいらさんりょう)」

実は、ここの紹介は、あまりしたくない気持ちもあります。

まず、ここに行こうと想いたったのは、拓也さんという鹿屋の方からの一通のメール。

「吾平山稜に生えてる植物って変なんですよ。 普通じゃないんですね、なんか。
一番奥にある広いスペースに3本杉の木が生えてるんですが、その生えてる位置が絶妙です。
なんか絶妙なんです。」

一部なのですが、こんな内容のメールを頂いて、その3本の杉の木が
その日から、気になってしょうがなくなりました。





吾平山上陵に着くと、拓也さんが、待っていてくれました。

「この木の生え方が、僕は好きで、あ〜、この橋の上とか、いいですよね。
ここからの眺めがいちばん。あそこにいると、落ちつくんです。」

と、話を聞きながら、吾平山上陵の静かで、川の流れる山のなかの道を進んでいきます。

どんな場所なのかは、実際に歩いてみて感じてほしいです。

山の木々から、こぼれ落ちる光が、とても綺麗で、
川のほとりは、水が透明で、心地よいところです。

拓也さんが、人があまり少ないのが(ひとりになれるのが)魅力だと、
あまり人に知られたくない気持ちもあるのです。
と話してくれた言葉に、とても共感します。

次は、ひとりでいきたい。

だから、紹介もここまでにしておきます。
何に、どんなことを感じるのか。自分は、どんなものに心を動かされているのか。

そうそう、3本の木は、確かにすごかった。その位置に意味が隠されています。


途中、吾平山上陵の近くの山の中にある「森小休」というところで、
ひと休みをはさんで、次のデザインパワースポットへ。




「ウチダアーキテクチャ」

ここは、ウチダさんという鹿児島市で活躍されている建築家の方が設計をした建物。
特別に、許可をいただき、見学をさせていただくことに。

建物が、チカラ強く、なんだろう、確実にパワーを放っているんです。

着いたとたんに、みなさん、びっくりしていました。
中に入ると、設計者が、どんな意図で、ひとつひとつ考えて線をひいたのか。
どんな暮らし方を提案しているのだろうか、想像していきました。



でも、なんといっても、ここは、景色。

桜島も、錦江湾も、向こうには開聞岳も。

この景色を、お施主さんが、くらしの中に選び、
この景色を、設計者が、どう切り取り、くらしの中にとけ込ませるのか。


天気が良くて、ほんとうによかった。
めったには、見ることのできない美しい景色でした。





最後に向かった、デザインパワースポット。

「荒平天神」

みんなで、その日の夕陽を見に。

海の上にある、小さな神社。

とくに話を交わすわけでもなく、
薩摩半島の山間に沈んでゆく夕陽を、それぞれ自由に眺めている。

陽が沈んで、青空の色から、綺麗に夕焼けていく空をじっと静かに眺めている。

僕は、普段、こういう景色はひとりで見ることが多いけれど、
この日、集まっていただいた方と見ること、その時間を分かち合うことで、
自分のなかの、想い出となることを実感しました。体に染み込んでいくように。

きっと、かわなべの森の学校に訪れると、あの夏の日を自然と想い出してしまうように、
この地に、また訪れることで、またこの日のことが想い出されるのだろうと想いました。

こんなふうに、想い出がきっかけとなる風景がふえていくことが嬉しいです。



でも、見えるその風景は、人それぞれで、
この写真のように、
それぞれ自由に散っているところがいいんだと想う。



最後に、僕がこの日に、心に残っている生徒さんの感想。

「吾平山稜にて、いつもは、イヤなあたま虫が、今日は、ふわふわと綺麗に見えました。」

いつも、当たり前と想っていることが、そうでなくなるとき、
見えていないものが、見えるとき、
美しいと想う、その人の心って、なんて素晴らしいのだろう。


それを知れるきっかけとなった、小さな旅の授業でした。


右上に、ふわふわと光みたいで綺麗だ。

見えるかな。ちいさいけど、見える、小さな光のあたま虫。


夕陽って、いつも綺麗。
素晴らしいものは、まわりにたくさんある。
いつもあったりする。

それに、できるだけ気づいていたい。




ユータ学長

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